書名:堂射
副題:武道における歴史と思想
叢書名: 
著者名:入江康平 著
発行日:2011.9.27
ISBN:978-4-8042-0782-7 C3875 \18000E
判型:A5判
頁数:782頁・口絵原色6枚・モノクロ図絵8枚
定価:本体18,000円+税

江戸時代に弓術競技のビッグイベントとして人気を博した京都や江戸の三十三間堂における堂射(通し矢)の全貌を、古文献を豊富に駆使して浮き彫りにする。堂射の実像を近代スポーツが内包する光と影の部分と比較検討することにより、武道文化としての意義を明らかにしている。巻末の京都・江戸三十三間堂における演武者全員の矢数記録は圧巻。

<主な内容目次>
序章
 はじめに―堂射とその呼称について
 第一節 本研究の動機及び目的
 第二節 堂射研究の今日的意義
 第三節 本論文展開の視点と問題の所在
 第四節 研究法と史資料の取り扱いについて
 第五節 先行研究とその吟味
第一章 武術の中の弓射の意義と堂射
 第一節 求められる武士像と武術
 第二節 武術の変質化と多様化
 第三節 我が国の弓射の特性
 第四節 射の分類と堂射の位置付け
第二章 三十三間堂の歴史と堂射
 第一節 京都三十三間堂の歴史と堂射
 第二節 江戸三十三間堂の歴史と堂射
 第三節 奈良・東大寺西回廊と堂射
第三章 競技場としての各建築物の規模
 第一節 京都三十三間堂
 第二節 江戸三十三間堂
 第三節 東大寺西回廊
 第四節 折掛・堂形
 第五節 各堂の規模の比較
 第六節 その他 證拠木・射手小屋・稽古場など
第四章 堂射用の弓具
 第一節 弓
 第二節 矢
 第三節 楪(※正しくは弓へん)
 第四節 その他
第五章 堂射の射法・射術
 第一節 射の種類からみた堂射―五射六科と堂射
 第二節 堂射々法・射術の実際
第六章 堂射に至る稽古とその実際
 第一節 射手の体格・体力について
 第二節 稽古の順序
 第三節 稽古及び本番に対する心構えと心・身の調整
 第四節 当日まで及び当日の心・身の調整と治療法の実際
 第五節 堂射の実際
 第六節 服装
 第七節 指導者の心得
 第八節 稽古段階から本番に至るまでの実例
第七章 堂射の運営と役員・役務
 第一節 総括
 第二節 各競技役員とその役務
 第三節 支援関係役員とその役務
 第四節 諸役の人数と準備すべき用品
第五節 虚偽記録の申請・競技違反・賄賂について
 第六節 『山崎規矩輔大矢數之圖』からみた全堂大矢数の実際
第八章 『矢数帳』とその分析
 第一節 『矢数帳』について
 第二節 堂射の実施種目について
 第三節 堂射の実施時期と気象条件について
 第四節 『矢数帳』の分析
 第五節 「天下一」の呼称について
第九章 堂射是非論の展開
 第一節 身分制社会における堂射の意義
 第二節 堂射批判論
 第三節 堂射肯定論
 第四節 広瀬彌一の堂射論
 第五節 平瀬光雄の堂射論
第十章 堂射と文学・芸能
 第一節 西鶴と俳諧大矢数
 第二節 堂射と俳諧・川柳・短歌・狂歌・草双紙など
 第三節 その他
結章
 本研究の動機・目的及び今日的意義
 第一節 各章の要約
 第二節 本論文の総括
 今後の課題
―附録―【京都及び江戸三十三間堂における矢数記録】
 その1 『京都三十三間堂矢数帳』以前の記録
 その2 『京都三十三間堂矢数帳』
 その3 『江戸三十三間堂矢数帳』
引用文献一覧
索引
あとがき
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